FXレバレッジ規制について

2010年07月23日


8月から、個人の為替取引、FXにレバレッジ上限規制が導入されます。まずは上限を50倍、そして一年後には25倍にする予定となっています。そこで今回は、海外のレバッレッジ規制と比較して、このテーマについて考えてみたいと思います。

◆レバレッジの前提はボラティリティー
まず、日本のFXのレバレッジ上限50倍と言うのは、高いでしょうか、低いでしょうか。たとえば、日本の隣国である韓国では、これまで50倍だった上限を、最近20倍に引き下げました。また、アジアで最もFXの歴史の古い香港のレバレッジ上限も20倍とされます。こんなふうに比較すると、日本の上限は決して低すぎるということではなさそうです。

一方で、英国やオーストラリアでは、レバレッジの上限規制はないようです。また、米国では、NFA(全米先物協会)では上限が100倍ですが、CFTC(米商品先物取引委員会)では10倍へ引き下げを検討しているようです。

もう一つ、米国で注目されるのは、レバレッジの上限規制が、メジャーカレンシーとマイナーカレンシーで別々になっているということです。

そもそも、レバレッジの前提は、ボラティリティーです。簡単な言い方をすると、凄く動く商品は、リスクが高いので、レバレッジも厳しくする必要があるでしょう。逆に、あまり動かない商品については、リスクが比較的低いわけですから、レバレッジの規制も必要ないかもしれません。

こんなふうに考えると、本来的には為替という商品は、国別にレバレッジの基準が極端に違うものではないでしょう。一方で、為替の中でも、主要通貨と、そうでない通貨では変動率に大きな差がある場合もあるわけですから、それらが同じレバレッジということの方にこそ、無理があるかもしれません。

◆国別の差はないが、通貨ペアでの差はある
以上を踏まえて、日本のFXにおけるレバレッジ規制を考えてみましょう。2007年まで、為替は小動きが続いていましたが、2008年9月リーマンショックなどを境に、「100年に一度の危機」となる中で、大荒れの相場となりました。このようにボラティリティーに大きな変化が起こる中で、レバレッジ規制が必要になったということが基本だと思います。

そして、これは国別に違うということではないはずですから、レバレッジが国によって大きく異なる状況は本来はないということでしょう。

一方で、ドル円とクロス円ではボラティリティーが大きく異なることもあるわけですから、それが同じレバレッジ規制のままで今後も良いのかという問題は残っているのではないでしょうか。

各国の証拠金維持率(レバレッジ)の規制状況



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同じ材料で2度売られる相場の顛末

2010年07月16日

 株がまた下がってきました。先週からの記録的連騰が一服ついただけでしょうか。それとも、まだ株は弱いのでしょうか。

◆11月のアナロジーなのか
 知り合いの有力株式ストラテジストが、「FOMCで2度売られる相場」といったレポートを書いていました。確かに、今回の株やドルは、6月末のFOMCで景気判断を下方修正されたことで売られ、そしてその議事録が公表されたことをきっかけに、今週あらためて売られ直しているわけです。

 上述のレポートでは、この「FOMCで2度売られる相場」は昨年11月にもあったと説明していました。11月初めのFOMCをきっかけにドルが売られ、そしてその議事録公表をきっかけに11月末にもあらためてドル売りになったということです。

 ところで、この同じ材料で2度売られた相場は、昨年11月の場合は間もなく底打ちとなりました。11月末に、米金利も当面の底打ちとなり、そしてドルは84円台で底打ちとなったのです。

 では、昨年11月の「FOMCで2度売られる相場」は、なぜ直後に底打ちとなったのでしょうか。米金利についていえば、下がり過ぎの限界に達していたということがあったのでしょう。

 米2年債利回りと10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率は、昨年11月末にそれぞれマイナス30%、マイナス6%程度に拡大していました。前者は明らかに下がり過ぎ、後者も下がり過ぎ気味といえる状況の中で、底打ちとなったのです。

 では今回はどうでしょうか。今回も「FOMCで2度売られる相場」が展開する中で、米2年債利回り、10年債利回りの90日線からのかい離率は、オーバーシュート・アラート(OSA)によると、それぞれマイナス28%、マイナス13%に拡大しました。ともにかなり下がり過ぎ懸念が強い状況にありそうです。

◆ユーロの行方は?
 一方で、ユーロは一時のような「何でもユーロ売り」から、「何でもユーロ買い」に変わったようになっています。

 その中で、対米ドルではついに今年に入って初めて90日線をユーロは回復してきました。短期下がり過ぎが修正されたことになります。すでに中長期トレンドはユーロ安に転換していると思いますので、ここからのユーロ反発は「勢い余った」動きであり、それは経験的には90日線からのかい離率がプラス5−10%以上にならないと思います。

ユーロドルの90日線からのかい離率

 この辺については、会員向けレポート16日午後版で比較的詳細に書いていますが、これからするとユーロ反発はせいぜい1.35ドル程度まで、1.4ドルに届くのは難しそうといった結論になると思います。

 さて、対円ではまだユーロ下がり過ぎ修正の途上にあると思います。それはOSAで確認できると思います。



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